手で練り上げては水分を圧縮除去する作業を何日も繰り返して作られる和三盆糖は、産出高がごくわずかで大変高価な原料といえます。駿河屋では代々香川県と徳島県で作られる和三盆糖を使い、最高級の羊羹「富士鶴」と「特製羊羹」を作っております。
昔ながらの製法を守り天草100%で天日干しした糸寒天を製造しているのは全国で11軒しかありません。その中から透明度、固さ、粘りなどを見極めて高品質な寒天を使っています。
皮が薄くふっくらとした北海道十勝産の小豆は、独特の風味があり粘りがしっかりとしているのが特徴です。自家製にこだわる駿河屋の餡の美味しさはこの良質な小豆によるものです。
白あんの材料である白小豆は大変デリケートな豆で気候の変化に左右されやすく生産量も限られる大変貴重なものです。駿河屋で使用する白小豆は北海道産のもので、くせがなくあっさりとしているのが特徴です。羊羹の他、薯蕷饅頭の餡や上生菓子の餡に使っております。
兵庫県丹波地方の黒豆は、粒が丸くて大粒な上に深い甘みともっちりとした歯応えが特徴です。 丹波黒豆は⼩粒のものもありますが、⼤阪本家駿河屋では⼤粒のもののみを使⽤しております。栽培に大変な手間ひまがかかる豆で収穫量の少ない貴重な黒豆です。
純度99.9%不純物の無い砂糖で、結晶が大きく透明でゆっくりと溶けることから小豆や栗などの素材を生かす和菓子に使われます。深いコクとやさしい甘みが特徴です。
温暖な気候に恵まれた佐賀県は全国有数のもち米の生産地。特に肥沃米はきめが細かく、ふくらみがあり、粘りのあるもちもちとした食感が特徴です。また冷めても固くなりにくいので赤飯や餅の材料として大変重宝しております。
豊臣秀吉の大茶会での引き出物に使われた煉羊羹が賞賛を受けたことからはじまったと伝えられています。 それまでの羊羹といえば、小麦を用いて蒸したものでした。 現在の煉羊羹は寒天を用いて煉り上げていますが、この最初の煉ようかんは「こもるは」を使っていたと云われています。
「大阪本家 駿河屋」には代々伝わる手書きの菓子見本帳があり、意匠の素晴らしさと原材料名がしっかりと記されており、今も季節ごとにその見本帳を開いては現代のお客様の趣向に合うものを作っております。大阪本家駿河屋の包装紙はこの菓子見本帳の菓子をデザインして使っております。